GSM携帯電話利用者は、利用しているNetworkのアンテナが立っていない時にでも他社のNetwork圏内であれば、この「112」に緊急通報することができる。但し、地下鉄やビルの最上階などは、もともと電波の届かないエリアであり、そこから「112」発信をしても繋がらない。まして衛星携帯電話の場合は、地球上を旋回している衛星のシグナルをキャッチしなければいけないので、頭上に障害物がある場合は全くといってよいほど繋がる可能性は無い。
従って、冷静に考えればこのメールはデタラメということが分かるが、あたかも各通信事業者が発表したような言い回しをしているため、信じた市民が多いのではないだろうか。
BBCによると、London Transportと各携帯電話事業者は、テロの後に立ち上がった“In
Case of Emergency(ICE)”を妨害するような“Hoaxers(デマウィルスを流す人々)”が多く存在し、このメールもその一つの可能性があると見ている。イギリスでは、過去にもスマトラ沖地震の安否情報に対する悪質なHoax(デマ情報ウィルス)やいたずらメールも多く出回り、Web監視会社も監視を強化していた。
ICEは、万一の事態の際に、救急隊や病院が家族と連絡を取る際に迅速に連絡を取れるように、自分の親族の番号を携帯電話に「ICE1」、「ICE2」などと記録登録しておきましょう、とEast
Anglian Ambulanceが働きかけている活動。ICEは今回のロンドンテロの後に発足された。
現在、イギリスに滞在中の日本人も、万一の不測の事態に自らも備えをする必要があるのかも知れない。
関連記事:
イギリスBBCニュース: http://news.bbc.co.uk/1/hi/technology/4724101.stm
East Anglian Ambulance: http://www.eastanglianambulance.com/default.asp
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