イングランド・パブでの喫煙全面禁止法案成立
(2006年2月14日)
イギリスの象徴とも言えるパブ。このパブでの風景が来夏から一変しそうだ。
イングランドのパブでの喫煙を全面的に禁止する法案が、14日英下院にて賛成384、反対184の大差で可決された。
上院で可決されると、2007年夏から施行される事になる。パブの他、レストラン、映画館、事務所など全ての公共スペースが対象となり、違反した場合、最高2500ポンド(約50万円)の罰金が科せられる。
英政府が昨年秋に上程したこの法案。
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当初政府は、「会員制クラブは例外」、「食事を出さないパブは例外」など免除案も提案した。しかし、与党労働党内で客や従業員の健康のためには全面禁煙が必要との声が高まり、14日の議員による自由投票により、「例外なしの全面禁煙」の可決に至った。
BBCの伝えたニュースによると、トニー・ブレア首相や、ゴードン・ブラウン財務大臣、チャールズ・クラーク内務大臣は、全面禁煙に賛成の票を投じたという。
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対照的にジョン・プレスコット副首相、テッサ・ジョエル文化・メディア・スポーツ相、ジョン・レイド国防相、ルース・ケリー教育・職業技能相は全面禁煙には反対票だった。
屋内での禁煙は、アイルランド、ノルウェー、フィンランド、スウェーデン、イタリア、スペイン、米国の州の一部、ニュージーランド、南アフリカなどが導入している。イギリスでは、スコットランドが今年3月から、北アイルランドは来年の4月からの施行が決まっている。ウェールズもこれに続く予定だ。
街中の声も賛成派と反対派に大きく分かれる。喫煙をしない人にとっては、「健康が損なわれること無く、快適にパブで飲食できる」と大歓迎を受けている。その一方で、喫煙する人にとってはかなり厳しい措置となり、「納得できない」との声も挙がっている。イギリスではたばことガンの因果関係が明確になって以来、タバコの料金が年々値上がりしている。(一箱約1,000円)
喫煙する人にとってはますます肩身の狭い時代になりそうだ。 |
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