ロンドン郊外 グリニッジ Greenwich
■標準時 時差と経度の話
〜なぜグリニッジが経度0度になったのか?〜 |
ロンドン郊外テムズ川南岸の町、グリニッジ。有名なのは「グリニッジ天文台」。なんてったってここが東西の基準となる経度0度、グリニッジ標準時(本初子午線)=GMT(Greenwich
Mean Time)を設けているところ。(※1)経度0度のグリニッジを基準とし、時差が発生します。
ちなみに時差は、15度で1時間の時差と計算します。(※2)
日本は子午線・東経135度(※3)が基準となっているから、イギリスの時差は通常9時間となるわけです。(135度÷15度=9時間)。東経は+と計算されるので、日本はイギリスより+9時間。言い換えれば日本の方が日が昇る時間が9時間早いということですね。(イギリスはサマータイムを設けているので、サマータイム時は+8時間)
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緯度0度と言えば、「赤道」を通過する線というのは誰しも納得する事実でしょう。太陽の高さが基準となる緯度ですから、太陽に一番近い赤道が南北の基準となる事には誰も異論はないでしょう。
では、経度0度はなぜイギリスのグリニッジ天文台になったのでしょう。
グリニッジに王立天文台が設置されたのは17世紀。 当時、世界を支配していたのは大英帝国。その帝国の海軍や交易にとって航海の指標となる経度を知ることは必要不可欠でした。
1875年、国際地理学会はフランス・パリを基準子午線と決定しました。しかし、イギリスなどがこれを不服とし、結局1884年、ワシントンで開かれた万国子午線(緯度)会議にてイギリス、グリニッジが基準子午線となったそう。東経が+、西経が−、というのもこの時決定されたそうです。グリニッジに、第一級の天文台があったということも採用の理由となったようです。
さすが強国の力はすごいですね。
グリニッジはロンドン、チャリングクロスから電車で20分くらい。ウェストミンスター・ピア、タワー・ピアなどロンドンの観光スポットからテムズ川クルーズで行くのがオススメ。
大都会ロンドンの喧騒に疲れたら、グリニッジに行ってみよう!グリニッジは世界遺産にも登録されている美しい町です。
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グリニッジ旧王立天文台 Royal Observatory,
Greenwich
経線0度の体験!片足東経、片足西経で記念撮影!
《住所》Greenwich Park, SE10 8QY
《Tel》+44 (0)20 8312 6565
《開館》10:00-17:00
《料金》Admission to the National Maritime Museum,
the Royal Observatory and the Queen's House is
now free. (2006年8月現在)
《URL》ここをクリック(英語)
緑豊かなグリニッジパークの中央の高台にあるのがグリニッジ天文台。眺めも最高!
グリニッジパーク http://www.royalparks.gov.uk/parks/greenwich_park/
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※1 天体観測を元に定められたGMTはかつては世界標準時として普及していたが、地球の自転周期は年々違うため、毎年ずれが生じる。そのため、現在では世界共通の標準時は、原子時計により決定される協定世界時(UTC)が世界の標準時となっている。日本はUTCから9時間進んだ時刻となる。
※2地球は西から東に自転しており、24時間で一周する。つまり360度を24時間で回転するので360(度)÷24(時間)=15度。1時間あたり15度移動する。
※3 日本の経度 基準となる東経135度は兵庫県明石市を通る。東京は東経139度45分くらい。北海道釧路市は144度20分くらい、沖縄県那覇市は127度40分くらいですので、北海道と沖縄では本来時差が1時間あってもおかしくない?
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