Chiyoは、生まれつきBlue-grayのとても不思議な目をしている魅惑的な少女。ChiyoはSayuriという芸名をもらい、いじめにも耐えながら厳しい修行をつみます。そんな厳しい生活の中、Sayuriは会長と呼ばれる男性(The
Chairman)に救われ、その男性に淡い恋心を持ちます。やがて、Sayuriは美しく成長し、Mizuageと言われる儀式にかけられることに…。そして、時代は世界大戦へと…。
Sayuriと会長の運命的な出会い、そして再会は、日本のシンデレラ、又は足長おじさん的なストーリー展開です。
原作の英語もそれほど難しくないので、まだ本を読んでいない方は是非一度読んでみて下さい。
ちなみに、この小説の元となったとされるMineko Iwasaki(岩崎究香)さんは、小説の中で、人物を特定できる描写を行っていることにより数々の脅しや恐怖を味わった、又、芸者のイメージを著しく傷つけられたということから原作のアーサー・ゴールデン氏を契約違反と名誉毀損で訴えています。(その後、訴訟は示談により解決したようです。)
もっと時間のある方は、Mineko Iwasakiさんの『Geisha of Gion』(2002,
with Rande Brown)も読んで見て下さい。これは、岩崎さんの自伝で、私は彼女はこの本で、芸者はProstituteではない(水揚げという儀式は無い)ということと、芸者とは芸に精通するプロフェッショナルであるということを伝えたかったのではないかと思います。彼女は芸の世界に自ら入ったと言います。確かに、最近、芸者に憧れ、親を説得し中学卒業後芸者の道に入った少女の特集をTVで見ました。昔はどうであれ、今はそうなのかもしれませんね。
さてさて、映画の方ですが、監督は『シカゴ』のロブ・マーシャル、製作はあのスティーブン・スピルバーグ。会長役には『The
Last Samurai』でアカデミー助演男優賞にノミネートされた渡辺謙といった錚々たる顔ぶれ。
もう既にアカデミー賞の呼び声も高いそう。でもこの映画も原作同様、色々物議を醸しているようです。
女性メインキャストが中国人(Sayuri役にはチャン・ツィイー、ライバルのHatsumomoにはコン・リー、Mamehaは中国系マレーシア人ミシェル・ヨー)。日本との関係が微妙な中国では、自国の有名女優が、夜の世界の女性(それも日本の!)を演じているということで大非難が起こっているとか。(中国でも芸者のような職業が存在するらしく、中国人に取ってみれば芸者は少し蔑む存在なのかもしれません。)海外では作品の賞賛もさることながら、このような報じられ方もされています。
Yahoo
US news(2005/11/7)
China
Daily.com(2005/11/11)
私はチャン・ツィイーもミシェル・ヨーも好きですが、確かになぜ?という疑問が沸きました。
そもそも日本の花街をアメリカ人が書き、アメリカ人の手によってできた映画、もちろんせりふも英語、更にその主役は中国人!というこの構図もおかしな話なのかも知れません。タランティーノの『Kill
Bill』といい、ソフィア・コッポラの『Lost in Translation』といい外国人が描く日本は誇張されていたり誤解だらけだったりということも多いですよね。でも、外国人だからこそ日本を客観的に捉え、日本人とは違う視点で描いてくれているという期待もあります。まずはどんな映画なのか見て見たいと思います!
Tommie 8 Dec 2005
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SAYURIオフィシャルサイト(日本語)
劇場公開は12月10日(土)〜。日米同時公開
芸者(関東)/芸妓(関西)の卵が舞妓さんって知ってた??日本文化いろは辞典によくわかる記事が載っています
※岩崎究香(いわさきみねこ)さんの漢字を改名前の岩崎峰子さんと表記しておりました。岩崎さんは2005年に改名されました。お詫びして訂正いたします。(19/12/2005)
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