映画『ダ・ヴィンチ・コード』先取りコラム
『Da Vinci Code』
みなさん、既に『ダ・ヴィンチ・コード』は読まれました?
書店でモナリザの絵が表紙になっている本がずらーっと並べられているので読まれていなくても気になっていた方は多いのではないでしょうか。
ダン・ブラウン著による『ダ・ヴィンチ・コード』は、2003年の発売以来、全米で1,000万部、日本でも200万部、全世界で3,400万部を超える大ベストセラー。この本が映画化されるというニュースはだいぶ前に流れましたが、ついにその『ダ・ヴィンチ・コード』が、いよいよゴールデンウィーク明け(2006年5月20日)に全世界同時公開されます。
先日までロンドンで行われていたダ・ヴィンチ・コード盗作疑惑事件(※注1)のトライアル(裁判)で、公開延期も心配されていましたが出版社(ブラウン氏側)の勝訴に終わりました。新たな訴訟問題も勃発していますが、とりあえず何とか予定通り、全世界同時公開にこぎつけそうです。
『ダ・ヴィンチ・コード』の物語の真相を握るのは、レオナルド・ダ・ヴィンチの絵と暗号、そして思想。
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「ダ・ヴィンチ・コード」 サブメニュー
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2)ダ・ヴィンチ・コードとイギリス
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この物語の全貌を読み取るために欠かせないレオナルド・ダ・ヴィンチについて、それから本及び映画のあらすじとキャストを簡単にご紹介します。
レオナルド・ダ・ヴィンチ (Leonardo da Vinci, 1452/4/15- 1519/5/2)
ミケランジェロ、ラファエロと並ぶルネサンスの三大巨匠の画家であり、彫刻家。音楽家として演奏、作曲なども行っていた。現存する絵画は『モナリザ』(フランス・ルーブル美術館)、『最後の晩餐』(イタリア・サンタマリア・デレ・グラツィエ教会)、『受胎告知』(イタリア・ウフィツィ美術館)、『岩窟の聖母』(イギリス・ナショナルギャラリーとフランス・ルーブル美術館)など17点しかない。
天文学や解剖学、物理学など自然科学分野でも類稀な才能を発揮。天文学の父と呼ばれるガリレオ・ガリレイ(Galileo
Galilei)より100年も前に天体の構造を研究していた。更に、発明家として軍事用の戦車、爆弾などの発明にも携わっている。また、20世紀初頭に始めて有人動力飛行を成功させたライト兄弟よりさかのぼること400年。ダヴィンチは飛行理論を研究。結局飛行は成功しなかったものの、飛行機などの図面も書き残していた。
ダ・ヴィンチの芸術活動以外の軌跡は、昨年(2005年9月〜11月)六本木ヒルズの森アーツセンターギャラリーで開かれた『レオナルド・ダ・ヴィンチ展』で展示していた「レスター手稿」(※注2)でも垣間見ることができましたが、500年も昔に現在そして未来を予言しているかのような発明品や実験の数々は目を見張るものでした。ダ・ヴィンチは、人類史上最強の頭脳と呼ぶにふさわしい、まさしく天才だったと言えるでしょう。
ロバート・ラングドン |
・・・ トム・ハンクス |
ソフィー・ヌヴー |
・・・ オドレイ・トトゥ |
べズ・ファーシュ |
・・・ ジャン・レノ |
リ―・ティービング |
・・・ イアン・マッケラン |
シラス |
・・・ ポール・ベタニー 他 |
監督:ロン・ハワード (『アポロ13』、「」ビューティフル・マインド』)
製作:ジョン・コーリー、ブライアン・グレイザー
音楽:ハンス・ジマー
原作:ダン:ブラウン 「ダ・ヴィンチ・コ−ド」(角川書店刊)
5月20日(土)より、日劇1+日劇3ほか全国東宝洋画系にて超拡大ロードショ―
監督は、『アポロ13』のロン・ハワード 主人公ラングドン役はトム・ハンクス(この二人は『アポロ13』で一緒に仕事をしている)、殺されたルーブル美術館館長の孫娘ソフィー役は、『アメリ』のオドレイ・トトゥ、事件の真相を追うべズ・ファーシュ警部役にはジャン・レノ、色素欠乏症のシラス役には『ウィンブルドン』のポール・ベタニー、リー・ティービング役は、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのガンダルフ役で活躍したサー・イアン・マッケランといった個性派役者がずらり。 |
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ここから先はネタばれのキケンあり。(本を読まれていない方、映画で犯人を推理したい方は先に本/映画を見てからどうぞ!)
『ダ・ヴィンチコード』の冒頭は、ルーブル美術館の館長であったジャック・ソニエールの不審な死から始まる。館長の死体はモナリザの前で発見される。その死体はダ・ヴィンチの有名な素描〈ウィトルウィウス的人体図〉を模した形で横たわっていた。そして死体の周りにはソニエールが最後の力で血で書いたダイイングメッセージ。その中には、ハーヴァード大学教授ロバート・ラングドン(トム・ハンクス)の名前もあった。
ソニエールの孫娘で、暗号解読者であるソフィー・ヌヴー(オドレイ・トトゥ)は、ソニエールの残した暗号が自分に向けられたメッセージであることに気づく。
ソフィーはフランス警察から追われる身となったラングドンと共に謎の解読へ挑む。二人は、アナグラム、フィボナッチ数列と黄金比の解読によりソニエールの死体が横たわっていたダヴィンチとモナリザの謎に辿りつく。そして二人は更なる暗号が隠された「最後の晩餐」へ。そして舞台はイギリスへと!!?
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ここまで来ると結末がわかってしまうので、あらすじはここまでにしておきます。
この物語には今まで聞いたことの無かったキリスト教関連団体名がたくさん出てきます。
オプス・デイ、シオン修道会、テンプル騎士団、フリーメイソン(※注3)などなど。
背後にあるキリスト教の隠された真実とは一体何なのでしょう???
『ダ・ヴィンチ・コード』 はあくまでフィクションですが、実在する宗教団体の名前を使っているため、団体関係者を始めたくさんの激しい抗議があったそうです。国によっては発売や映画上映禁じたところもあるとか。身近な問題としては現在韓国のキリスト教団体が上映禁止を申請しているようです。(関連記事http://news.bbc.co.uk/2/hi/entertainment/4892008.stm)
内容的に結構キワドイですものね。
レオナルド・ダ・ヴィンチの手稿は暗号なのか?
この『ダ・ヴィンチ・コード』に大きく関わってくるのはご存知の通り、ダ・ヴィンチの絵画とその中に込められたメッセージ。
ダヴィンチ展に行かれた方はご覧になって驚かれたかもしれませんが、ダ・ヴィンチの残したレスター手稿はなんと全て鏡面文字で書かれたもです。鏡文字とは、鏡に写して初めて文字が読めるようになっているものです。ダ・ヴィンチがなぜ鏡文字を用いたのかは諸説あり、はっきり分かりませんが、以下のような説があります。
・ ダ・ヴィンチは左きき―ダ・ヴィンチ展でも説明がありましたが、素描の影の付け方(左利きの人の特徴として影をつけるとき左上から右下へと引くほうが引きやすい)に左利きの特徴が出ている
・ 研究内容を他人が解読できないようにした
・ ダ・ヴィンチはいたずら好きだったので、みんなに分からない手法でわざと書いた
ダヴィンチコードは英語だと、Da Vinch Code (Code=暗号)
つまり、ダヴィンチの絵の中に込められた暗号とも言いましょうか。まさしくこのダ・ヴィンチ・コードは暗号解読が謎を解く最大の鍵となります。私も物語を読みながら、「オー」とか「エー?」とか「なるほどー」とかって思わず叫んでいました。最後の最後はなんとなく先が読めましたが、途中は本当に手に汗を握る展開。上下巻で分厚い本もあっという間に読みきりました。
次のページでは『ダ・ヴィンチ・コードに出てくるイギリス』をご紹介!
(※注1)ダン・ブラウン氏の『ダヴィンチコード』は、Michael
Baigent(マイケル・ベイジェント)とRichard Leigh(リチャード・リー)による1982年の著書The
Holy Blood and the Holy Grail(邦訳題『レンヌ=ル=シャトーの謎―イエスの血脈と聖杯伝説』ではないかという訴えをベイジェント氏とリー氏が『ダヴィンチコード』の出版会社ランダムハウスを訴えていた裁判。
原告の訴えは、『聖杯伝説』の中身(イエス・キリストがマグダラのマリアと結婚し1児を設けた。その血筋は今もなお(フランスで)生き続けている)がそのまま『ダヴィンチコード』でも盗用されているというもの。2006年4月7日にロンドンの英高等法院は、原告2名のの訴えを退ける判決を下した。
しかし、その他にも、『ダヴィンチコード』の重要な登場人物リー・ティービング(Leigh Teabing)の名前が、原告の一人Richard
Leigh氏の名字と同じであったり、もう一人の原告Michael Baigent氏の名字Baigentをアナグラムで並び替えるとTeabingとなったりと、原告二人と『ダヴィンチコード』の繋がりは深くも見える。
関連ニュース 英BBC
1 英BBC
2 英BBC
3 日経新聞
(※注2)レスター手稿は、現在は米マイクロソフト社のビル・ゲイツ会長が所蔵。年に一度、一カ国のみで限られた期間しか公開されない貴重な手稿。ダ・ヴィンチ直筆のノート。ダ・ヴィンチが56歳の時、生涯をかけて取り組んだ研究・考察の集大成としてまとめられた。
(※注3)フリーメイソンに関する記事(UKINFO内)
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